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見つからないイライラが1/2になるパソコン情報整理術

営業スキル

突然ですが、こんなことで悩んでいませんか?
・忙しいときに限って、必要なデータや書類が見つからない
・更新したデータをどこに保存したか、わからなくなることがある
・フォルダ名やファイル名を見ただけでは、どんなデータかわからない
本コラムでは、そんな悩みを持っている方の役に立つパソコン情報整理のコツをお伝えします。


情報整理された状態とは?

最初に考えていただきたいことがあります。
あなたにとって情報整理された状態とは、どんな状態でしょうか。
本コラムでは、情報整理された状態を「必要な情報が『いつでも』『すぐに』取り出せること」と定義してします。
例えば大掃除の直後はすぐに取り出せても、時間が経つと書類やデータが山積みになって、なかなか取り出せない状況に陥ってしまっては『いつでも』とは言えません。
『すぐに』の目安は60秒以内、それ以上かかってしまうなら情報整理された状態とは言えません。


情報整理の必要性


情報整理できていないと、3つの問題が発生します。

①ミスが多発する

必要なデータが手元にない状態や、古いバージョンのデータを使ってお客さまや取引先に提出する書類を作成してしまうと、必要な情報が漏れてしまったり、例えば消費税率を誤って計算して請求金額を算出してしまうなどのミスが発生しやすくなります。
そうなると相手の信頼を失うだけでなく、最悪の場合は取引停止といった事態に陥ってしまう危険性があります。

②データを探すために膨大な時間を取られてしまう

こんなデータがあります。
文房具メーカーのコクヨが2017年に実施した社内アンケートによると、1日のうち書類を探す時間はおよそ20分、これを1年間に換算すると、約80時間に相当します。
また、アメリカで整理術のカウンセリング会社を営むリズ・ダベンポートは著書『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』でこう書いています。
「探しものに費やす時間は、なんと年間150時間―乱雑なデスクは恐るべき時間泥棒だ」
1日の労働時間を8時間として月20日間働くとすると、年間総労働時間は1,920時間。
80時間といえば1年の総労働時間の約0.5か月分、150時間だと約1か月分に相当します。
これだけ膨大な時間を書類やデータを探すことに費やしていては、仕事の効率を上げることはできません。

③ストレスがたまる

必要な情報やデータが見つからなくて社内の共有サーバのフォルダを一つずつ開いて確認しなければならなかったり、知っていそうな人に聞かなければならなかったりする事態が頻繁に発生する。
見つからないイライラでたまったストレスは、スムーズに仕事を進める大きな妨げとなります。


情報整理のポイント

これから紹介する情報整理のコツを活用することで、「ミス」「探す時間」「ストレス」が減り、仕事がスムーズに進むようになります。
そして先ほど紹介した書類やデータを探す時間を1/2にできれば、それだけでも年間40時間の残業時間削減を達成することができます。

では必要な情報が『いつでも』『すぐに』取り出せる、情報整理された状態を作り上げるために何をすればよいか。
ポイントは3つです。
1)目的を決める
2)ルールを決める
3)タイミングを決める

1) 目的を決める

情報整理された状態を作り上げるために最初にやるべきなのは、目的を決めることです。
目的が決まっていると、忙しい日々の仕事の中でも優先順位を上げて、前向きな気持ちで情報整理に取り組むことができます。

目的を決めるときにおススメなのが、次に紹介する2つの質問です。
①情報整理できると、どんなメリットがありますか?
②情報整理できないと、どんなデメリットがありますか?

なぜこの2つの質問がおススメかというと、この質問の答えを明確にしておくことで、情報整理に対する「やる気」を引き出すことができるからです。
人のやる気が出るパターンは、大きく2つに分かれます。
ひとつはメリットを得たいとき、そしてもうひとつはデメリットを避けたいときです。
傾向としては、積極思考の方はメリットに関心が強く、消極思考の方はデメリットに関心が強いです。

情報整理できるメリット(例) サッと仕事に取りかかれるようになる
データのありかを口うるさい上司に聞かなくてすむ
残業が1日20分減る
情報整理できないデメリット(例) サッと仕事に取りかかれるようになる
データのありかを口うるさい上司に聞かなくてすむ
残業が1日20分減る

なぜ情報整理しなければならないかの答えとして、得られるメリットと避けられるデメリットの両方を明確にしておけば、どちらのタイプの方でも情報整理に前向きな気持ちで取り組んでもらえるようになります。

2) ルールを決める

ルールを決めるときに大切なのは、全員が理解できるルールにすることです。
全員が理解できるルールを言い換えると、「入社3か月の新入社員でもわかるルール」ということです。
例えば、何を整理するかは「使わなくなった書類やデータ」ではなく、「3年以上前の会議の議事録」「1年以上前の日報」といったように具体的に表現します。

もしあなたの職場で「フォルダ名やファイル名を見ただけでは、どんなデータかわからない」という問題が発生しているなら、ファイルのネーミングルールを決めることをおススメします。

ルールに盛り込んでいただきたいのは、日付とキーワードです。
例えば企画書のワードファイル、キーワードを「社名」「サービス名」「目的」の3つを設定するルールにしたとすると、191031A社Bサービス提案.docxとなります。

何度も更新が入るファイルでしたら、バージョンを追加するとよいでしょう。
作成中はv01、作成完了後はv10とし、変更の都度カウントアップするようにすると、ファイル名は191031A社Bサービス提案v01.docxとなり、どのファイルが最新か一目でわかるようになります。

ネーミングルールに関しては、ファイルの種類ごとにルールを決め、決めたルールは全員が必ず守ることを徹底してください。
また社内や外部とのやり取りをメールだけでなくSNSやビジネスチャットツールなど様々な手段で行わなければならず、「A社のBさんとは何でやりとりしていたっけ?」など過去の経緯を確認するときに、全てのツールを開いて探さなければならない手間がかかっているようでしたら、相手毎に連絡手段を固定して、それ以外の手段では連絡を取らない、というルールを作ってはいかがでしょうか。

もしメールの添付ファイルを修正したのに、どこに保存したかわからずに取り出せないという問題が頻繁に起きているようでしたら、添付ファイルは直接開かずに必ず右クリックで保存先を指定することをルールとして設定してみてはいかがでしょうか。

タイミングを決める

目的とルールを決めたら、次はタイミングです。
いつ整理するかを決めましょう。
大切なのは、具体的な日時を設定することです。

例)
・1日1回⇒毎朝9:00~10分間
・週1回⇒毎週●曜日の13:00~30分間
・月1回⇒毎月◆日の16:00~
・年1回⇒毎年▲月▲日の11:00~

なぜ具体的な日時を設定するかというと、できるときにやろうと思っていたとしても、急ぎの仕事や突発的な仕事に追われてしまうと情報整理に取り組む時間が確保できなくなり、次第に情報整理された状態から遠ざかってしまうからです。
そうならないように、最初に決めた日時をスケジュールに組み込んで、確実に取り組むようにしましょう。


おわりに

本コラムで紹介したパソコン情報整理のコツ、「いい話を聴いた」で終わるのではなく、ぜひ一度やってみてください。
何かひとつでも、あなたの仕事がスムーズに進む、お役に立てたら嬉しいです。

コラム著者 丸の内ビジネスカレッジ パートナー講師 大谷更生
元大手通信会社のシステムエンジニアを経て、現在は問題整理の専門家として研修講師やコンサルティングを中心に活動。
著書「情報整理術」「3年後のあなたが後悔しないために今すぐやるべきこと」