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生産性を向上させるには?課題の明確化と指標について

チームビルディング、組織運営

企業の利益を増加ためにどのような生産性向上施策に取り組んでいますでしょうか?もし、「生産性を向上させる取り組みは実施しているが、期待している効果が見えない」と悩みを抱えている場合は、施策自体を見直すべきかもしれません。

本記事では、生産性を高める必要性や事業効率化との違いなど、生産性向上に関して解説しています。生産性は大規模事業を展開する企業のみならず、中小企業においても重要な指標のため、これまで意識していなかった企業も、これを機に生産性の向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。


生産性の向上とは具体的にどういう意味?

近年、日本政府が働き方改革の一環に掲げていることもあり、日々の生活においても「生産性の向上」という言葉を耳にする機会が増えています。
まずは生産性の向上とは具体的にどういう意味なのかについてご紹介します。

【生産性とは何か】
生産性とは、投資した資源が生み出す成果とその対価となる投資資金の比率を意味しています。つまり、従業員1名当たりのコスト(インプット)と、従業員1名が生み出す売り上げ(アウトプット)を対比し数値化したものが生産性です。
生産性は「アウトプット÷インプット」で計算され、アウトプットが大きくインプットが少なければ生産性の指標が高いということになります。
そして、その生産性を現在よりも高めることを「生産性の向上」といいます。

【事業効率化とは】
生産性を向上していくうえで覚えておきたい言葉として事業効率化があります。どちらも企業を成長させるうえで重要な意味を持つことから混同されることの多い言葉ですが、どちらも異なる意味を持っています。
生産性とは先に説明したように、投入した資金とその資金が生み出した利益を対比させた指標のことです。
それに対し、事業効率化とは投資資源を削減することを目標とする施策を指します。残業による余分なコストが発生する勤務時間の見直しを図る取り組みは事業効率化に分類されます。


なぜ生産性を向上させる必要があるのか


昨今、生産性を高める取り組みを実施している企業が増加している背景には、いくつかの理由があります。ここでは、企業の生産性を高めることが重要とされている理由についてご紹介します。

【少子高齢化】
現在、日本では体力面における不安などから継続した就労が困難な65歳以上の高齢者の数が年々増加しています。
労働者不足問題が表面化するなかで、企業内で高齢者が増加し働き手が減少することは、企業を成長させるうえではマイナスな要因になります。
また、少子高齢化は市場規模の縮小にも影響があり、市場規模が縮小してしまうと、従業員が減ってしまった際に売り上げも従業員数に合わせて減少してしまうリスクがあります。

高齢化による人手が足りない状態が深刻化するなか、売り上げを確保し続けるためにも、今後各企業はより一層生産性の見直しと改善を迫られることが予想されます。

【ノー残業への動き】
「長時間労働」の言葉が連日メディアで大きく取り上げられ、社会的にも企業は残業を発生させないような働き方改革が求められる傾向にあります。
そして残業時間に関しては社会的な風潮や傾向のみの問題ではなく、同じ商品やサービスを提供するまでに要する時間(コスト)の削減は生産性の向上に不可欠な要素でもあります。
ワークライフバランスを重視する労働者の流出を避けるためにも、残業時間の削減は企業においても重要な取り組みといえます。

【激しい国際競争の時代】
現代ではインターネットの普及や流通の進歩により、海外に行かずとも外国の製品を簡単に購入できるようになりました。それにより、日本国内の企業との競争だけではなく海外企業も視野に置いた企業戦略が求められるようになりました。
また、一般的な日本企業の生産性は海外企業と比較すると低水準のため、今後ますます激化が予想されるグローバル社会で生き残っていくためには、生産性の改善が求められることになるでしょう。


生産性を向上させるためには課題の明確化が重要


企業の生産性が低いと判断し、向上させるための施策を決める前におこなうべきことがあります。
それは、なぜ生産性が悪いのかの理由を浮き彫りにし、現状抱えている課題の明確化です。

例としては、同水準の生産性指標を持つ企業が複数あった場合においても、それぞれの企業が改善するべきポイントは異なります。潤沢な資金力を持っている大企業では、生産性を向上させるためにAIやIoTなどの最新テクノロジーの導入も可能かもしれませんが、資金力に余裕のない中小企業やサービス業、小売業などは実施できる施策に限りがあります。そうした資金力のない企業には、なるべく資金を投資しないでおこなえる施策が求められます。


生産性が高い企業から学ぶ生産性の指標と特徴

企業によってどのように生産性を向上させていくのかは異なりますが、生産性が高い企業の特徴や業界の水準を知っておくことは、生産性を向上させるうえで重要となります。

【従業員の定着率が高い】
生産性の高い企業と低い企業を比べると、生産性の高い企業は従業員の入社5年以内での離職率が低い傾向にあります。従業員が早期に退職してしまうと人材育成も難しくなるため、残業時間の削減や給料の安定化など従業員の流出を防止する施策が求められます。

【無駄を省き効率的な時間コントロール】
生産性の高い企業では、業務に無駄を発生させないように対策しています。
例えば、従来は紙媒体でおこなっていた業務連絡や各種報告なども、データベースへの投稿やチャットツールを使用するなどのデジタル化が図られています。

また、始業から終業時間までの業務の流れが定まっており、仕事の優先度を明確化し業務をおこなうことで、上手く業務時間を管理しているのも特徴です。

【従業員のスキルが高い】
一人一人の従業員が持つ業務に必要な技術の平均値が高いのも特徴です。
細かな部分では業務に使用するパソコンのタイピング速度や資料の作成スピードの向上、大きな目標としては質を担保したままサービスの提供の迅速化など、小さなものから大きなものまで生産性を向上させるための取り組みは多くあります。

【生産性の高い企業の生産性指標】
OECD(経済協力開発機構)に加盟している35ヵ国の中で日本の生産性指標は21位で84,027円となっており、加盟国全体の平均である95,464円を下回っています。

ですが、日本の中でも生産性が高い企業や業界は存在しており、生産性の低い企業はその業界の平均的な指標を目指してくことになります。

中小企業における労働生産性の指標は、中小企業庁の「中小企業の生産性分析」にてデータが公開されていますので、ぜひ参考にしてください。

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/chusho/03Hakusyo_part1_chap3_web.pdf  


おわりに

人口の高齢化に伴い人員不足が深刻化している現在において、中小企業が生き残っていくためには、生産性向上を図る取り組みは急務といえます。
生産性を改善するにはそれぞれの企業が抱える課題を明確にし、生産性の高い企業の特徴や取り組みを参考に、自社にも取り込んでいきましょう。