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リカレント教育とは?そのメリットと必要性、補助金について解説

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生涯学習の一つのシステムとして、近年日本国内でも注目されているのがリカレント教育です。リカレント教育とは学校教育を終えて就労した後に、必要な知識やスキルを身に着けるために学習することです。時代の変化により、仕事で求められるスキルは多様化しており、優秀な人材を育成するために、文部科学省もリカレント教育の拡充に向け動き始めています。

今回の記事では、リカレント教育の概要や必要性が高まっている背景、リカレント教育のメリット、リカレント教育を受ける際の補助金の概要について解説します。

リカレント教育の必要性や重要性を通して、自社の教育や研修制度の見直しや更新のための参考にしてください。


リカレント教育とは?

まずは、リカレント教育の概要と実施形態について紹介します。

リカレント教育=回帰教育

リカレント教育とは、一度学校教育を終えて就労した後に、個人の必要に応じて教育機関に戻り、教育機関で再度学ぶことのできる制度のことです。日本語では「回帰教育」と訳されています。

1970年代に経済協力開発機構(OECD)が提唱し国際的に注目されましたが、終身雇用が一般的だった日本国内ではあまりおこなわれてきませんでした。しかし、近年では雇用制度の変化などが要因となり、日本国内でもリカレント教育の必要性が高まっています。

リカレント教育の形態

リカレント教育はさまざまな形態でおこなわれています。大学などの教育機関で実施されているリカレント教育の他に、職業訓練センターでの研修やe-learning(インターネットを利用した学習制度)なども実施されています。

(大学などで実施される主なリカレント教育)
・社会人特別選抜・・・多くの大学で実施されている社会人選抜制度
・夜間部・昼夜開講制・・・会社に就労している人でも夜間に学校に通える制度
・科目等履修生・・・社会人向けに、特定の科目をパートタイムで開講する制度
・聴講生・研究生・・・正規の学生や科目履修生ではなく、大学独自の規定で受け入れられる制度
・通信教育・・・大学などのカリキュラムを通信で学習できる制度
・リカレント教育推進事業・・・産業構造や就業構造の変化や技術革新に対応するため文部科学省が実施。高等教育機関、地方公共団体、産業界などが連携し、学習ニーズなどの情報共有や学習プログラムの研究開発などがおこなわれる

(職業訓練)
・職業訓練センター・・・地域や業界の団体が教育機関などと連携して実施している育成研修
・映像教育、e-learning

教育制度の多様化により、従業員が就労の空き時間にパソコンやモバイルサイトを使って学習できたり、研修タイプの教育制度もあるため、無理なく学習できる制度を積極的に活用していきましょう。


リカレント教育のメリットと必要性とは?

リカレント教育のメリットと必要性について紹介します。

リカレント教育の3つのメリット


リカレント教育には以下の3つのメリットがあります。

・新しいことを学ぶので学習意欲が高い状態で受講が可能。その結果、高い学習効果が得られやすい
・学び直すことにより専門的なスキルを身につけられ、そのスキルを仕事に活かせる
・企業にとっては高いスキルを持った優秀な人材が増える

リカレント教育を受けられる仕組みを整えることで、教育を受ける本人だけではなく教育を受けた人を受け入れる企業や、社会全体にもメリットが生まれることになります。

リカレント教育の必要性

医療技術の進化などの影響で人の平均寿命は延び、「人生100年時代」を見据えた人生設計が必要になっています。長い人生を充実させるために、リカレント教育の必要性が高まっている理由は、以下の主な2点です。

・長期雇用制度が揺らぎ転職や独立などの選択肢を取る人が増えていることから、スキルや知識習得の必要性が高まっているため
・AI化やIoTなど急速に社会が変化する中で、学習と就労を交互に繰り返し、職業技術や知識を絶えずアップデートし時代に追従することが重要になるため

仕事をするために必要な知識やスキルを、個人の努力や個々の企業の研修制度、支援制度だけではなく、仕組みや制度として整えていくことが重要視されています。


リカレント教育で受けられる補助金について

リカレント教育を受ける際に申請できる補助金とその条件について紹介します。

リカレント教育で受けられる補助金=教育訓練給付金


リカレント教育を受講する際には「教育訓練給付金」を申請できます。

教育訓練給付金とは、一定の条件を満たした初めて専門実践訓練制度を受講する方に対して補助金が給付される制度です。

教育訓練給付金の種類

教育訓練給付金には、以下の2種類があります。

・一般教育訓練受講に係る教育訓練給付金・・・教育に係る費用の20%が支給されます。給付金の上限は10万円です。
・専門実践教育訓練受講に係る教育訓練給付金・・・教育に係る費用の50%が支給されます。教育の上限は40万円です。中長期的なキャリア形成に役立つ専門的・実践的な教育訓練として、厚生労働省が指定した訓練校で看護師、介護福祉士、保健師などの専門職のトレーニングを受ける際に適用されます。

教育訓練給付金を受けられる条件

教育訓練給付金を受けるには以下の条件があります。
・現在就労中もしくは離職してから1年以内であること
・雇用保険に3年以上加入(初回は1年以上の加入)
・45歳未満

教育訓練給付金の手続き方法

教育訓練給付金を申請するには、管轄のハローワークへ必要書類の提出が必要です。必要書類は以下の通りです。

・教育訓練給付金支給申請書
・教育訓練修了証明書
・領収書
・本人・住所確認書類
・雇用保険被保険者証
・教育訓練給付対象期間延長通知書
・返還金明細書

参照:教育訓練給付制度 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html


おわりに

リカレント教育の重要性が高まっている背景には、長期雇用制度の揺らぎやAIやIoTといったテクノロジー技術革新、少子高齢化社会における年金制度の破綻の恐れなどがあります。
今後、社会に適用する人材が求められる時代が想定されるので、個人単位でのスキルアップが必要になるでしょう。

そのような事情を踏まえて、日本国内でもリカレント教育を推進する動きが活発化しています。e-learningなどのように働きながらでも学べる方法もありますので、スキルアップにつながる研修や学習制度を積極的に取り入れ、時代に追従できる人材を目指しましょう。